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「Looking For Johnny」を観てジョニーサンダースのことを想う

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今年は音楽映画豊作の年ですが(→参照記事)、その中でも一番観たかった「Looking For Johnny」を観てきました。
 
Looking For Johnny
ジョニーファンとしては至福のひと時でした。なのでレビューを少々。
 



  

あるパンクロッカーの生涯


 
Newyork DollsやThe Heartbreakersに在籍していたJohnny Thundersのドキュメンタリー。彼の生い立ちから亡くなるまでを当時の写真や映像とバンドメンバーや関係者のインタビューで振り返るという、ドキュメンタリーでは王道のパターン。特にハッとするような展開や演出というものはないです。言っちゃえば普通によくあるドキュメンタリーです。でも、とても見応えがあった。だってジョニーだから。

憧れのロックスターの動く姿を観れた喜び

ジョニーを知ったきっかけはミッシェルガンエレファントでした。彼らのルーツにこの人がいることを知り、大学時代に札幌の中古レコード屋でThe Heartbreakers「L.A.M.F」を買い、初めて音に触れました。
 


 

ロックンロールの伝統的な様式美とパンクの勢いが同居してる感じが、当時の自分にはツボで一発で好きになりました。中でも一番好きだったのは「One Track Mind」。
 


 
初めて人前でDJをやったときにもかけたし、ロックンロールのミックスを作ったときにもこの曲を入れました。今聴いてもカッコいい。
 

 

音は聴いたことあったけれど、映像はほとんど観たことがありませんでした。ジョニーの肉声や演奏シーンをまとめて観ることができる、ファンからすればこれだけでこの映画の価値はあるんですよね。
 

Newyork Dollsやソロのときの貴重なライブ映像も見応えはありましたが、なんたってThe Heartbreakersのライブシーンが一番興奮しました。

映画を観て気づいたこと

・Jerry Nolanのドラム
New York Dollsの頃からジョニーの良きパートナーだったわけですが、今まで彼の叩くドラムを注意して聴いたことがなかったです。ただ、「L.A.M.F」の収録曲を演奏している映像で感じました。
「あれ、ドラムってこんなパワフルだっけ?」
話の中でも触れていましたが、「L.A.M.F」は担当したエンジニアのミキシングがいまいちだったらしく、ドラムの音の力強さが損なった形で音源になってしまったそうです。いやぁもったいない。手数が多いわけでもないし、巧いという感じでもない、ただ8ビートを正確に力強く刻む、とても好きになりました。
 

・Sid Viciousとの共演
シドはジョニーに憧れていた、でもシド演奏もままならない状態であることを判断してベースアンプのシールドを抜いたというエピソードは笑いました。The Heartbreakersがイギリスに渡っていなかったらロンドンパンクは違ったものになっていたんだろうなと改めて感じました。
 

・Bob Dylanの賛辞
終盤にドールズの元メンバーSylvain Sylvainが興奮しながらディランがジョニーに贈った賛辞を紹介します。
「“You can't put your arms around memory"を書いた男になりたかった。」
 


 
このエピソード知らなかったので、これにはおぉ~!ってなりました。ちょっと寂しげだけど、いい曲ですよね。

You can’t put your arms around a memory. Don’t try.
(想い出は抱き寄せてはいけない、やめた方がいい)

 
ジョニーがこの賛辞を聞くことができたかはわかりませんが、聞けていたとしたらきっとものすごく喜んだでしょうね、
 

Johnny×Rude
 

この映画を乱暴に一言でまとめてしまえば、「薬に溺れたヤク中ロッカーの話」ってことになると思います。
娘の誕生や周囲のサポートがありながらも薬から抜け出せなかったのは救いようがないかもしれません。でも、そんな脆さとカッコいいロックンロールナンバーをいくつも送り出したロックスターの両面があってジョニーなんだなと改めて感じられました。なんか、ダメなところも含めて嫌いになれない。人間らしいと言うと軽くなっちゃいますが、そんなところも含めて彼のことをさらに好きになれました。
 

…と書いて、映画のレビューをググッていたら井上貴ちゃんも同じようなことを思っていました!
 
ジョニー・サンダースを探して…映画『Looking for Johnny』を観た!
 
中1のときにNHK-FM「ミュージックスクエア」を愛聴していた元リスナーとしては感激しました。
 
 
 
追加上映あると思ったら、なかった…orz
 
THEATER | Looking For Johnny -ジョニー・サンダースの軌跡-
 
一般的な人気はそんななのかな~
 
 
というわけで紹介したのに劇場で観ることができないという残念なタイミングではありますが、
そこはロックの日に免じて許して下さい。
 
 

おしまい

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