「海賊とよばれた男」(百田尚樹・著)レビュー

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夢中になれる本と出会うことは本当に幸せですね。
苦痛だった電車通勤の時間が待ち遠しくてたまらなくなる。
電車を降りてもページをめくる手が止まらずに二宮金次郎状態で会社まで歩いたこともしばしば(危険w)
今回は本屋大賞にも選ばれた「海賊とよばれた男」のレビューを。
 
海賊とよばれた男




  

概要

2013年本屋大賞に選ばれたベストセラー小説です。
石油の精製・販売会社「出光興産」創業者である出光佐三を題材にした歴史小説で、明治の創業時から戦時中、戦後と激動の時代を駆け抜けた彼の半生と企業の歴史(作品の中では国岡商店という名前になっている)を史実に基づいて書かれています。
※一部、登場人物が史実と違う名前になっていますが、すべて実在する人物だそうです。
 
内容紹介や登場人物の相関関係については、Amazonの商品ページがとてもわかりやすくて参考になります。
 

モデルとなった出光佐三

出光佐三
主人公、国岡鐵造のモデルとなった出光佐三がめちゃくちゃカッコいいです。
“カッコいい”という形容詞だと物足りないくらいカッコいいです。
 
様々な苦難に遭いながらも、出光興産という大企業を一代で築き上げた佐三さんですが
僕がどこにそんなに惹かれたかというと、ズバリそれは“ブレないところ”です。
人間として日本人として信じる道をとことん貫く姿勢に心を打たれました。
文中に出てくる、

愚痴をやめよ。世界無比の三千年の歴史を見直せ。そして今から建設にかかれ
(終戦直後に集めた社員に伝えた言葉)

私としては日本国民の一人として俯仰天地に愧じない行動をもって終始する
(石油をめぐる国際紛争による裁判において、裁判長に宣誓した言葉)

という言葉は、実際に本人が言った言葉だそうです。
こういった言葉からもこの方の力強さが伝わってきます。

出光興産のコーポレートサイトの以下のページを本を読んだ後に見ると、
企業の歴史がより理解できます。
 
人間尊重の100年
人間尊重の百年-出光創業100周年記念スペシャルコンテンツ
佐三さんが遺した言葉や出光興産100年の歴史が紹介されています。
 

もう一度歴史を勉強したくなった

日本史の中でもとりわけ、明治以降の近代史が好きな自分にとっては物語の時代背景がとてもツボでした。
 
高校のときは日本史をとっていたんですが、戦前〜戦後〜高度経済成長期って授業でも高3のセンター試験前の時期で端折られた記憶があります。(そのかわりに鎌倉、平安にすごく時間をかけていた気が・・・)
だもんで、教科書レベルの知識しかなかったので歴史の背景を知ることができてよかったです。
 
軍部の台頭、太平洋戦争の背景にあった石油をめぐる攻防、戦後のGHQと役人とのやり取り、戦後の国際情勢(欧米とアジア諸国)、etc.
 
この本を通じて一番大きな収穫だったのは、歴史についてもう一度勉強したいと強く思えたことです。
本作品でも出てくる太平洋戦争について調べてみても、今まで自分が記憶していた認識と異なる説も色々と出てきて驚きました。
pearlharbor
 
色々な人が色々な意見を主張しているので、何が真実かを知ることは難しいと思いますが、それでも当時の出来事で自分がまだ知らないことがあることを知り、とても知りたいと思いました。
 
それにしても、なぜこんなにも日本では自国の歴史をしっかりと教えないのでしょうか?
僕が通っていた高校では日本史は必修科目ではなく、授業を受けずに卒業することも可能でした。(1年生→世界史必修、2年生以降は科目選択)
ほかの人の話を聞いても、大体同じか必修だったとしても1年生時のみといった具合でした。
2年間あってもなんとか20世紀にギリギリ辿り着くようなボリュームを、どうやって1年でまかないきれるでしょうか?
僕は高校3年間の必修科目とし、とりわけ明治以降の近代史を重点的に教えるべきだと思います。

 
最後に蛇足ですが、読んでる最中ずっとこの本が映像化したら誰が鐵造を演じるのかを考えてました。
僕が最も適役だと思ったのは渡辺謙でした。
watanabeken
皆さんは誰を思い浮かべましたか?
 
日本の歴史にもう一度関心を持たせてくれ、ここまで読んで胸を熱くさせられた本は初めてだったかもしれません。
ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。

 
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おしまい

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