10年前の10月11日の今日、ミッシェルガンエレファントという偉大なロックンロールバンドが解散しました。
あれからもう10年経つのかとも思う半面、19歳の世間を知らない若造がその間に所帯持ちになった現実を考えるとその年月相当の時間を感じたりもします。
実は1年前にもミッシェルについて書いています。
ミッシェルガンエレファントが解散して9年が経った
ミッシェルがどんなバンドで自分にどんな影響を与えたかは昨年の記事を読んでいただければ理解していただけると思います。
今回は、解散から10年ということもあってミッシェルに関連した催しもいくつかあったので、それらについて触れながら改めてミッシェルについての想いを語ってみたいと思います。
DVDを見て感じたこと
解散から10年を記念してリリースされた、最後の全国ツアーの京都磔磔でのライブ映像。
行ったことはないものの、多くのバンドがそこでやるライブ映像を観て、古くて趣のあるザ・ライブハウスということは知ってました。
1曲目の「トガゲ」が始まった時に思いました。
・・・ショボいと。
何がショボいかって映像がです。メンバーの顔がライトに照らされたときには画質の悪さが顕著に出ました。そこで気付きました、これは記録用のカメラで撮られたものなんだと。
古いライブハウスのなので照明のバリエーションも少なく、カメラワークも時折ドラムの定点カメラが入る程度。このシンプルさが、かえって新鮮でした。
ただ、そのパフォーマンス自体はこの解散ツアーの中でもとびきり良かったかというとそうではありませんでした。幕張のラストライブに比べると、細かい部分でのズレを感じました。
でも、そこがもう解散していくバンドというそのときの状況をあらわしているようでかえってリアルに感じました。
それでも本編ラスト「ダニーゴー」にはブルっときました。僕が観に行った札幌や幕張ではやってなかったから余計に。
ちなみにこれは勝手な憶測ですが、この映像は先に出ていた幕張のラストライブと対照的に作られているんじゃないかと思いました。
有名になってもなお、大箱だけでなく小さなライブハウスを回り続けたミッシェルのライブバンドとしてのこだわりを感じることができました。
10年前の幕張を振り返る
そんな今や伝説となっている幕張での解散ライブ、当時大学生だった僕はなけなしのバイト代をつぎこんで住んでいた小樽から千葉に遠征しました。
会場前には人、人、人。チケットを求める人や大きな布地に寄せ書きをしている人なども見られました。
会場に入るとDoors「The End」が流れていました。
これから始まるライブのワクワク感とこの日で終わってしまう寂しさが両方押し寄せて、変な感覚だったことを覚えています。
ライブは一瞬だったように感じました。
僕がいたブロックは広いアリーナの中でも真ん中からやや後方くらいでしたが、いつも観に行っていたライブハウスのようにモッシュをしてoioiと掛け声をしてダイバーが頭の上を泳いでいきました。
忘れられないシーンが3つあります。
「スモーキンビリー」のブレイク部分で38,000人が一同に叫んだ「愛という憎悪!」
一瞬の静寂から広いアリーナに人の声だけがこだまする。あれほど鳥肌が立ったことは後にも先にもありません。
「リリィ」の後奏でのアベのギター。
どこまでも続いていきそうな伸びやかなギターのフィードバック音がとても印象に残っています。
そしてラスト、「世界の終わり」。
チバが声にならない声で唄い終わった後で演奏を続ける4人。
4弦が切れてもなおかき鳴らすアベのギターからライブ前のBGMでかかっていたDoors「The End」のフレーズが聴こえた気がしました。一瞬だったし偶然かもしれないけど、僕には「The End」を聴こえました。
このとき、ミッシェルの終わりを感じました。
そんな一瞬の出来事だったライブを、映像として今も観ることができるのは本当にありがたいことです。
最初で最後の展示会
先日、ミッシェル最初で最後の展示会と称された「TMGE SHIBUYA RIOT!」に行ってきました。
解散10年の節目ということで開催されたこのイベントには、メンバーが使用した楽器や歴代のツアーTシャツ・グッズ、ファンクラブ会報誌など、二度とお目にかかることのできないレアものの数々が展示されていました。
その中でもアベが使用していたテレキャスターを見た時はちょっと泣きそうになりました。
(詳細→TMGE SHIBUYA RIOT観覧レポート~ミッシェル解散から10年に思う~)
デビューして解散まで7年という短い期間しか活動していないのに、自分の思春期がダダかぶりで、ミッシェル=青春時代という、僕にとってかけがえのない存在であることを、展示されている品々を見ながら改めて感じました。
改めて自分にとってミッシェルとは
冒頭にも書いたように、この10年は決して短いものではありませんでした。
この間に自分を取り巻く環境もがらりと変わり、色々な音楽を聴くようにもなりました。
それでもミッシェルは色褪せることなく、自分の中に存在しています。
変わることなく心のベストテン第1位のバンドとして存在し続けています。
アベが亡くなって4年。もう4人を見ることはできないけれど、音源を聴いたり、映像を観たり、ギターを弾いたりして、これからもミッシェルのことを、ロックンロールを教えてくれたバンドとして忘れることはないんだろうと思います。
おしまい